進路の取り組み

路に対しての考え方と取り組み
「観光」を学んでどのような進路につけるのか?
よく耳にする問いかけです。
このようなとき、多くの場合その答えは……
「ホテルや旅行業など」と、なりがちです。
しかし、いま、日本社会は揺れ動いています。
本当にこのような答えが適正か、疑問がわいてきます。
戦後一貫した工業化政策のなかで日本は復興をとげ、高度成長を極めました。このなかでは「いつまでも人口増加が続く」という、いま直面している「少子高齢社会」とは、まったく逆の前提が「大前提」となっていました。
また、大規模工業化の波はすでに中国やインドに流れ、少々のものはすべてこれらの国々で生産されています。安い労働力でシッカリと「ものづくり」ができる社会基盤が整備されたためで、これら国々では今後ますます雇用や消費が拡大し、日本が担ってきた様々な仕事を分担してゆくことになるでしょう。
このような「日本の役割変化」が、こんにちの「社会的な不安」の根源になっています。 「ホテルや旅行会社に就職できる」……この答えはウソではありません。しかし、どの業界もそうですが15年前、20年前とは、その現実は全く異質なものとなっています。
たとえば、これら旅行業界ではIT化の進展によって、ホテルの予約や航空機チケットを購入する際などのシステムが激変(昔のように旅行会社を介して申し込まず、パソコンから直接予約し利用することが大多数となりつつある)したために、多くの人手をかけなくても仕事がまわるようになりました。
また、ホテルについても企業の海外移転や国内人口の減少などで、利用者が少なくなり、過当競争(利用する人よりも、ホテル客室が過剰)に転じています。言うまでもなく、これら業界では就労機会の縮減が続いているのが実態です。ですから、「ホテルや旅行会社に就職できる」という答えは、間違ってはいませんが、これからの時代の予測を基にした「適切な答え」とは、必ずしも言い切れない面が多々あります。
それではいったい、大阪千代田短大の「観光」では何を目指すのでしょうか?
前ページまでに説明したように、ここでの学びは「知りたい」「触れたい」「体験したい」という、学生の知的欲求に誠実に応えることでカリキュラムを準備し学びを深めています。この学びによって、一般的には経験不可能な出会いや体験を重ねます。その中での出会いは、「自分自身の新たな可能性の発見」を伴います。さらに、その過程では、まったく考えてもいなかった「仕事」とも出会えます。
たとえば、落語会を開催した際、人間国宝の桂米朝さんを擁する米朝事務所の社長から、「大きくはないけど、誇りを持てるやりがい有る仕事」と、芸能プロダクションやマネージメントの話を直接お聞きしました。
また、小豆島での「オリーブ授業」では、農業観光の未来性について、多くの人たちと共に汗を流し「観光の未来」が実感できました。
さらに、シンポジウムの企画・運営を体験したことで、日本を代表する学者らが観光に対して、いったいどの様な考えを持ち、「4年制大学では何を教えているのか」について触れることが出来ました。このことで、4大への編入進学も「すぐ目の前にある事柄」ということを実感できました。これらのことが何を意味しているのか。それはすなわち、自分の将来や可能性を「高校3年生までに体験したこと、見たことだけで決めつけない」で、ということです。多様な体験や出会いに誠実に向き合えば、新しい可能性に必ず巡り合えるからです。
私たち大人は、子供のころや大学時代に学んだこととはまったく違うことが次々に起って行く「いま、現実の社会」に、実は戸惑っています。
会社や仕事をめぐる状況を含めて、実社会の様相があまりにも激しく変化しているからです。
ですから、大阪千代田短大の観光コースでは大学の中で学ぶことと共に、いま社会の最先端で活躍している方に直接指導を受けることを、カリキュラムの中にしっかりと位置づけ「知りたい」「触れたい」「体験したい」を、果敢に実行しています。
このような学びから、貴方自身の進むべき未来が鮮明となり、自分自身の進むべき道に「誠実に対話できるようになり」、「進路に出会う」と、確信しています。すなわち、自分自身の可能性の発見が、進路の発見につながってゆく。そのような学びを頑固なまでに追及している。それが、この短大の観光コースの学びであり、貴方自身の「進路」に対する答えなのです。
観光コース 准教授 李 有師

