進学応援NEWS No.1 (2008年10月)
介護のプロである「介護福祉士」が必要とされています!!
(1)超高齢社会の到来と介護職の絶対数の不足
いま、日本は超高齢時代(高齢化率21%超)に突入し、若年人口の減少、産業構造や雇用環境の変化などと相まって、将来の医療・介護に対する国民の不安は大きくなっています。介護現場の危機的状況(介護サービス量の不足、介護の人材不足)が取り上げられて数年経ちましたが、状況は悪化する一方です。
このような事態をうけて、政府の社会保障国民会議は、2025年度の医療・介護費用の財政試算(社保介護試算)を発表しました
この社保会議試算は、「社会保障費の支出抑制」という財政を前提とした従来の議論から脱し、医療・介護の「あるべき将来像」を前提とした内容になっています。医療・介護政策について、政府に大きな転換を求めようとしている点で画期的であるといえます。
社保会議試算では、介護職員は、2025年には、現在と同程度のサービスを提供する場合で現在(117.2万人:2007年)の約2倍の200万人超、サービスを改善・充実させた場合は、約2.2倍の255万人と大幅な増員を求められることになると指摘しています。
米国のサブプライムローン問題に端を発して、世界的な景気減速がみられます。近い将来、企業の多くが減収・減益を理由に、大規模な雇用調整策を打ち出すことは必至です。他方、将来にわたって社会的な必要性の大きい介護職は、景気動向に左右されない職業であるといえます。
(2)介護職の待遇改善にむけた動向
社会的な必要性があるにもかかわらず、介護職は他の職種に比べて待遇が悪いといわれています。介護職に就いている人の多くが「やりがいはあるし、この仕事が好きだけれども、収入が少なすぎて続かない」と思っているのも事実です。
2009年度は、介護報酬の改定時期にあたります。現在、その内容が検討されていますが、政府・与党は、介護職員の待遇改善を狙いとして、介護報酬を引き上げる方向を打ち出しています。 昨今の政治情勢を鑑みると、予断を許さない状況ではあります。しかし、今回の介護報酬引き上げが実現すれば、これまで「善意」によって現場を支えてきた介護職に対して、その待遇改善が一歩前進することになります。
現場が求める介護職とは
(1)介護現場の現状
いま、高齢者施設等の介護現場では、介護職が不足しているために、日々の業務も満足に行えない状況にあります。このため、介護福祉士やヘルパー2級などの有資格者だけでなく、これまで介護の経験が一切ないような無資格の人まで雇用することで、どうにか介護サービスを提供できています。
無資格者やヘルパー2級資格(約130時間)を持つ者と養成課程を修了した介護福祉士(約1,650時間)を比較すると、知識・技術面で格段の違いがあります。介護の専門知識・技術を十分に持たない介護職員の増加は、不適切な介護(事故の発生や虐待など)が行われる危険性を内包し、「介護サービスの質の低下」をいっそう加速させることにつながります。
(2)介護のプロ(介護福祉士)が必要とされています
数年先には、現在の高齢者とは価値観が大きく異なる世代(団塊の世代)が介護を必要とし始め、さらに認知症高齢者が多数を占めることになります。このため、介護現場では、一人ひとりに応じた適切な介護、安心・安全・安楽な介護ができ、かつ、認知症高齢者にも対応できる専門知識・技術を持った介護のプロ(介護福祉士)が求められています。
高齢者施設等の現場では、介護サービスの質を確保するためにも、無資格者やヘルパー2級資格者に「介護福祉士」を取得させる動きもみられます。
「介護福祉士」になるには
(1)「介護福祉士」資格取得の方法
介護福祉士の資格を取得する主な方法としては、本学のように厚生労働大臣の指定を受けた介護福祉士養成施設を卒業する(養成課程ルート)か、現場での実務を3年経験したのち、国家試験を受験して合格する方法(実務経験ルート)があります。
(2)介護福祉士養成カリキュラムの改定
厚生労働省は、現在および将来における介護現場を取り巻く状況の変化に対応するために、2008年初に介護福祉士養成カリキュラムの大幅な改定(2009年度から実施)を行ないました。
この改定によって、これまで養成課程ルートでは免除されていた国家試験を受験し、合格することが必要(本学のような2年課程の場合、2011年度入学生から適用)になりました。また、時間数も現行の1,650時間から1,800時間へと大幅に引き上げられました。
一方、実務経験ルートに関しても、従来の実務経験3年に加えて、新たに養成施設等において6ヵ月以上(600時間)学んだうえで、国家試験に合格することが必要になりました。
本学の介護福祉コースの特長 ~丁寧な個別指導~
(1)福祉・介護職のリーダーを養成
「もう、これで精一杯」ではなく、「この方には、もっと適切な援助があるはず…」といつも考え、手がかりを発見しようとする職員。「こんな工夫をすれば、それを実現できるのでは?」と提案し、仲間とともに行動しようとする職員。介護福祉コースの目標は、このような職員(リーダーになれる職員)を養成することです。様々な工夫と実践が高齢者や障害者の日々の生活に活かされ、喜んでもらえる…。卒業生は福祉・介護の仕事が「た・の・し・い」といいます。
(2)「なぜ、そう思いますか?」「どうすれば、実現できますか?」

専門科目のどの授業でも、教員は学生にこう問いかけます。
「教科書に載っているから」ではなく、学んだ知識を組み合わせて自分で考え、さらに仲間の意見に耳を傾けて、考えを練り直す習慣を養います。
例えば、介護プランを立てるとき、高齢者や障害者一人ひとりが、いま願っていること、将来像、利用できるサービス・制度、自分は誰とどのような協力をすれば、そのプランが実現できるかを考えるように促します。自らの考えを持ち寄って、仲間と意見を交換。「私はなぜ、この援助をしたいのか」「私がどう行動すれば、実践できるのか」と、自分で考え、仲間と考える授業を2年間通して行っています。
(3)教育方法… 3本柱で

① 授業(介護福祉士必須科目+独自科目)
② 個別支援(丁寧な個別指導)
③ クラスの仲間づくり(人間性豊かな人材を育てるために)
(4)介護福祉コースの2年間

(5)就職・進学
介護福祉コースの教育は、実習施設やボランティア先から高い評価を受けており、「千代田の介護福祉コースの学生なら、是非うちの施設に」と求人が殺到します。また、卒業生が就職している施設からは、「今年も何名か採用したい」と求人の依頼をいただきます。2008年3月に卒業した学生の就職・進学状況は、下表の通りです。

2008年10月 発行責任者 大阪千代田短期大学入試委員会
委員:青木淳英(総合コミュニケーション学科 介護福祉コース専任講師:社会保障、地域福祉担当)
委員長:山本敏貢(副学長・幼児教育科教授:社会福祉担当)

